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くるるる星座

     スザルルにくらっと落とされた管理人によるスザルルサイト。 浮気できない性質なのでスザルルのみ。 ラブラブ甘々でたまにシリアスな感じで展開していきます。無断転載等はご遠慮ください。 ※リンクフリーですが、報告をいただければ幸せです。 ※オンラインブックマークは厳禁です。

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絆1







絆~ゆかり~ 1



あの悪帝による支配戦争からの解放後200年。
世界では皇暦という歴を使うのをやめ、平和への願いを込めてPEという年号をつけた。


PE201年。
人々は恐怖の支配から開放された喜び、自分達で考え、話し合い平和的に物事を進めることのできるありがたさを初めから与えられている当然のことと受け止めるようになり、再び戦争を主体とした世界になろうとしていた。
EU諸国は戦後の調停で廃棄するようにと国際法で決められたはずのフレイアを所持し国外に向けて配置し始め、ブリタニアはそのすさまじい資金で軍事力を高め始めた。
日本は残りわずかになったサクラダイトを狙おうとする各国に目をつけられ、自衛の為だと国民の反対を押さえつけ、赤紙を使った徴兵制を取り成人男性を自衛隊へと徴兵した。

情勢は危うく、ちょっとした均衡が歪めばすぐに混迷の世の中が待っている。


私立アッシュフォード学園の敷地内にあるクラブハウスから高等部にある自分のクラスルームへルルーシュ・ランペルージは早歩きで向かっていた。
いつも一緒に登校するはずの弟妹はルルーシュより三歳年下で双子だ。
とても仲のよい双子は風邪を引くのも一緒というかのように同じタイミングで風邪を引いてしまった。
本当は彼らの介護の為にさぼりたかったのだが、生憎親戚筋であるアッシュフォードの温情により無償で学校に通っている身としてはさぼるのはいただけない。
実際に弟妹にも「それだけはだめだよ兄さん」「そうですわお兄様。私たちなら大丈夫ですわ」といわれ、しぶしぶ家を出たのだ。

父親が国に徴兵されたのは二年前。
突然のことだった。

世界情勢が危うくなり、緊迫した様子だということは知っていたが、まさかここまでだとは思わず、突然開始された徴兵制度に人々は非難の声を上げた。
もちろん、自分の父親に赤紙が届いたときはルルーシュ達もデモに参加し、徴兵をやめるように訴えた。
しかし日本のトップを務める扇一族はその訴えを無視し、強引に徴兵を進めた。

父は優しくて子煩悩な人だ。
母が無くなってから身一つで家計を支え、家庭を守り、子供を育て上げた。
大人といえども辛いことは沢山あるだろうに、一度も泣き言を言ったり、自分達に当たったりすることも無く自由に、おおらかな子供になるようにと育て上げてくれた。
そんな父を奪い去った国をルルーシュはうらんでいた。


「お~ おはよ!ルルーシュ!」
「・・・リヴァルか。おはよう」
「おおっと。今日はいつも以上に暗いなぁ。どうしたんだよ?」
「ナナリーとロロが風邪を引いて寝込んでいるんだ。」
「へえ、それは心配だなぁ…お前はブラシスコンだからなぁ」
なんだよそれは、と軽口を叩くリヴァルをかばんでぼこっと殴り、わいわいしているクラスルームに入った。


リヴァルと言葉を交わしつつも自分の席に着くが、いつも必ず声をかけてくれるシャーリーの朝の挨拶がない。
休みか?と思いつつシャーリーの席のほうに目を向ける。
(いない――やすみか。)
彼女はどうやら自分に恋愛感情を持っているらしいが、生憎と自分は彼女に対して友情以上のものを抱くことはないようだ。

―いい友達で居たい女性だとは思うんだがな…。


ぼーっと授業を受けながら弟妹の心配をしているとあっという間に放課後がやってきた。
生徒会に所属しているルルーシュの放課後は忙しい。今日は弟妹が風邪を引いているから休みたいが、きっとそれは却下されるだろう。
おもいため息を吐きながらリヴァルとカレンと一緒に生徒会室へと向かった。


「なぜ計画的にやっておかないんですか!!!」
「だって~ミレイちゃんやることいっぱいあったし~」
「そんな言い訳は通じません!!」
「おい、ルルーシュ!会長と言い争ってる時間があるなら早く手伝えよな~!」
「ちっ……会長。次は無いですよ!」
「はいは~いv ごめんねルルちゃん☆」

ちっとも反省していないミレイを軽くにらみ、自分の目の前に積まれている書類に向きあった。



「ねえ、ちょっと休憩しない?」
カレンがお茶をいれて皆にそう声をかけた。

「はいどうぞ、リヴァル。」
「ありがと~カレン。俺も~疲れちゃって」
「会長も、どうぞ。」
「カレン~!あんたいい嫁になるわよv胸も大きいし気もきくしvv」
「後半は関係有りません!セクハラですよ。」
「ルルーシュ、どうぞ」
「ああ、ありがとう。」
「ニーナもどうぞ。」
「あ、ありがとう、カレンさん」

あったかい紅茶は書類に向かっていたぴりぴりとした雰囲気を和ませ、力の入った肩をほぐしてくれた。
そういえば・・・疑問を思い出し、ルルーシュはミレイへ問いかけた。

「シャーリーはどうしたんですか?体調でも崩したんですか?」
「おやおやおや?ルルーシュってばもしや、シャーリーの事が・・・!」
「リヴァル、黙ってろ。」
「はいはい」
「会長、私も心配です。」
「そうね…心配よね…。でも、言っていいのか悩んじゃうわ。」
「え?そんなに大きなことなんですか!?」
「ええ…あのね、シャーリーのお父さん、とうとう赤紙が来ちゃったみたいなの……。」
「「「え」」」

赤紙。
徴兵対象となる人物に届く赤い色をした紙。
自分の父親もあの赤い紙に奪われた。 それがシャーリーの父親にも届いたのか…。

「これから世界はどうなるんでしょうか…。」
「わからないわ…戦争にならないでほしいと願うしかないのかしら。」
「確か200年前も大きな戦争があったんですよね?『支配戦争』って授業で習いました。」
「ええ。名前すら消された第99代ブリタニア皇帝が行った支配戦争ね。それが終わったと世界は平和へ向かおうと手を取り合って進み、今の平穏があるーーと。」
「どこが平穏だよ…成人男性は徴兵され戦いのノウハウを叩き込まれてる。重要な物資は自衛隊に占領されて医療とかに回す事が出来ない。」
「自衛隊じゃなくてもう軍隊って言った方がいいような気がする…。」


世界の不安定さに悩む人々は口々に言った。


「ゼロは何処に行ったんだよ…。」


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大学生・星座の観察員
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