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くるるる星座

     スザルルにくらっと落とされた管理人によるスザルルサイト。 浮気できない性質なのでスザルルのみ。 ラブラブ甘々でたまにシリアスな感じで展開していきます。無断転載等はご遠慮ください。 ※リンクフリーですが、報告をいただければ幸せです。 ※オンラインブックマークは厳禁です。

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彼と僕2

彼と僕。2

 


僕は一日で二人(一人と一匹?)も家族を手に入れました。
その日は戦闘があってとても疲れていたし、とりあえず部屋に戻ってルルーシュとアーサーをお風呂に入れた。
(アーサーはルルーシュが洗ってくれた。)
ほこりまみれだったルルーシュの体を洗うと、ブリタニア人独特の白い肌が現れた。いや、今まで見た事も無い白く円やかな肌だ。
これが所謂卵肌なのか。と変な事に感心しながら洗った髪をタオルで軽く拭った後、ドライヤーをかけてやる。
ひざ立ちでルルーシュの髪を背後から乾かす僕、ひざの間でアーサーを乾かすルルーシュ。
こんなことで心がホワンと温まるのを感じたスザクの顔はだらしなく綻んだ。


「ごめんね?布団しかなくて。」
「ううん。大丈夫。アーサーも入れていいのか?」
横に並んで寝転ぶ。枕は一つしかないから(僕に恋人は居ないし…)僕が枕を使って、ルルーシュは僕の腕で我慢してもらう事にした。アーサーは僕とルルーシュの間に乗っかるようにして丸まっている。
歯を磨かせようと思い、新しい歯ブラシを下ろしたときにこのサイズではルルーシュの歯に合わないなぁと気付いた。そのほかにも洗面台に届かなかったり、熱いものが飲めなかったり。
自分が忘れていた子どもの視点を振り返るようでなんだか懐かしかった。

「明日は非番だから、色々手続きを済ませたり買い物に行ってルルーシュの物を揃えようね?」
「うん!」
「いい返事だね。」
よしよし。と頭を撫でると「えへへ…」と照れるその様に、今まで本当に甘えてこなかったんだなぁ…と感じる。
「じゃあそろそろ寝ようか。」
「うん。おやすみしゅざく。」
「おやすみ、ルルーシュ。良い夢を…」
ぽんぽんと一定のリズムで叩いてやるとそれが心地よいのか、うつらうつらとルルーシュは眠りに付いた。
暖かくてやわらかく、優しい。その温もりを抱きしめてスザクもいつの間にか眠った。

 

 

「ぅおきろ~~~!!」
「にゃーーー!」
ゆさゆさと揺れる体。そして体の上でボムボムと揺れる何かと大きな声でスザクは「うわぁぁ!」と驚きの声を上げてしまった。
何故子どもの声と猫の鳴き声が…!と目をぱちっと開くと、昨日家族になろうと約束したルルーシュが僕の体を跨ぐ様に馬乗りになって飛び跳ねていた。横ではアーサーが猫パンチの要領で僕を突付いている。
「ル、ルルーシュおはよう。早いね…」
「早くないぞ。だってもう10時だよ。」
「ええ!」
そんな!と上半身を跳ね上げ、時計を見やる。確かに短針は10を指しておりルルーシュが言っている事が正しい事を証明していた。
「ごめんね…おなかすいたよね?今朝ごはん作るからね。」
「大丈夫。おはようスザク。」
そういって頬にちゅっとキスを落としたルルーシュに目を丸くする。
「ル、ルルーシュ?!な、なんでキス?」
「?僕の家族は挨拶にキスをするんだ。」
「ああ、なるほど…。」
さすがブリタニア…と上に乗っかったルルーシュを抱きしめてベッドから降りると、くいっと襟首を引っ張られる。
なにかな?とルルーシュを見やると「スザクも、あいさつ。」とキスを催促される。
僕は確かに名誉ブリタニア人だ。だが、日本男児としての自分は捨てられない。
日本男児はそんな不埒な事は決してしない…といいたいところだが。挨拶と言ってるし、拒否したら泣かれかねない。そう観念したスザクはテレながら軽いキスをルルーシュのマシュマロのような頬に落とした。


朝食はもちろんご飯、カリカリに焼いたソーセージに目玉焼き。そして味噌汁を用意した。
ルルーシュは味噌汁を食べた事が無いらしく、不安げに茶色いスープを口に運んだ。そして目を大きくはって「おいしい…」と感想を述べた。
自分が好きなものを好んでくれる事は嬉しい。スザクは「でしょ?」と返すと「うん!」と相槌が帰ってくる。
やはり食事は一人でするものではないなぁと実感した。
アーサーには味噌汁用のイリコを出して、後で缶詰を買ってこなきゃなぁと買い物リストに書き加えた。

 

ルルーシュはやはりお坊ちゃまだったようで。
ショッピングセンターやモールの全てに過剰に反応した。
あれはなんだ、これはなんだ、あっちにいきたい、と忙しい。
エスカレーターを見たときに「これはなに?」と聞かれたときにはさすがに「え!!」と驚きの声が出てしまった。
枕にルルーシュ用のタオルケット、洋服、日用品などを購入し自宅まで輸送する手続きをしてしまうと、ルルーシュを連れてお気に入りのカフェに入った。
此処はロイドさんが教えてくれたカフェでコーヒーに紅茶、そしてデザートにいたるまで全てがおいしいという知る人ぞ知る名店なのだ。
ルルーシュ用に紅茶とプリンを頼み、僕はコーヒーを頼んだ。
アーサーに飼った猫じゃらしをふりふりと動かしながら嬉しそうに笑うルルーシュ。
それをのほほんと見ながらふとスザクは変な事に思い至った。
(ルルーシュって…僕の弟…ってことになるのかな?それとも…息子?いやいや、それはさすがに…うーん)
ぼけっと考えるスザクの前でルルーシュが猫じゃらしをふっていることに彼がようやく気がついたのは、ウェイトレスさんが紅茶を僕の前においたときだった。


「ねえ、しゅざく。これなんていう食べ物?」
「うーん、プリン知らないの?」
「プリン?」
「えーっと、プディング。」
「プディング。それなら知ってる。でも僕が食べたのとはちょっと違う。」
「あ~…ブリタニアのプリンはあれだからね…;」
ブリタニアのプディングはまずい事で有名だ。なんといっても肉の横に添えるためにしょっぱいプディングを作ったり、米を何故か原型を残したままプリンに使用したり。とにかく僕にとってはありえないものだった。

「これ、おいしい!プルプルなのにしっとり~」
ほっぺに手を当てて感動するルルーシュが可愛すぎて「こっちが感動するよ!」とスザクは思わずよしよしとルルーシュの頭を撫でてしまった。
「好きな食べ物が一つは分かったね。ルルーシュプリンがすきなんだ。他には何がすき?」
「しゅざくは味噌汁がすきだよね。ん~と、イチゴがすき。」
「そっかイチゴかぁ。おいしいよね。これからお互いの好きなもの、どんどん見つけていこうね?」
「うん!」
勢いよく頷くルルーシュにこんな子が家族になるなんて僕はなんて幸せ者なのだろうか…と感動する。
(立派にこの子のお父さん役を務めるぞ!!)

 

家に帰り、アーサーに缶詰を与えて買い物の次は今後の予定を立てようと話していたときにとんでもない事が発覚した。
「ルルーシュ住民票が無いのかい?」
「あるのかもしれない。でも番号が分からない……」
「うーん、困ったなぁ…本人がカードを持っていかないと変更は愚か参照すらできないからなぁ…。」
「困るの?」
「うん。ルルーシュ、学校に行きたいでしょ?学校に入るには住民票がいるんだよ。」
「ルル、学校いかなくてもいいよ?」
「えー?いった方がいいよ。友達もできるし……それに住民票がないと正式に僕の家族にはなれないし。」
「えええ!そうなの???」
「そうだよ。お役所にね、書類を提出しなきゃいけないからね。そのときに多分住民ナンバーが必要だと思うんだ。」
「えええ~~~~」
大きな目をうるうると潤ませ僕を見つめるルルーシュに、何も悪い事をしていないはずなのに何故か罪悪感が沸く。
僕が泣かせた!と言わんばかりにふーっとうなってくるアーサーに「ご、ごめん!だから噛まないで!」と謝る姿は、きっととてもみっともなかっただろう…。

住民票の件については、後でどうにかしようという事で、ルルーシュの年を尋ねる事にした。
年齢が分からない事には幼稚園なのか小学校なのか、どっちに編入させればよいか分からない。
それにルルーシュの誕生日は僕が祝ってあげたい。きっと親が居なくなってはじめての誕生日。決してさびしい思いはさせたくない。

「誕生日は12月5日。今は6歳。」
「ってことは小学校一年生だね。それにしてはルルーシュってはきはきしゃべるよね。」
「?そうなの」
「いや、多分。」


やるべきことは沢山ある。
軍に行ってランスロットのテストをして、テロがあれば戦って。
名誉と蔑まれいじられる事もある。


そんな事が些細なことに思えるようになったのは、君がこうして僕の元に来てくれたから。

 


「しゅざくは何歳?」
「僕は17歳だよ。」
「17歳?おじさんだね、ザク。」
「お、おじさん…?」
おじさんといわれた事にショックを受けつつも「だから、ザクって呼ばないで…」と突っ込みを入れるのがスザクにできた唯一の抵抗だった。

 

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大学生・星座の観察員
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スザルルにグラグラさせられ、とうとう自分で妄想を形にするにいたった者です。
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