忍者ブログ

くるるる星座

     スザルルにくらっと落とされた管理人によるスザルルサイト。 浮気できない性質なのでスザルルのみ。 ラブラブ甘々でたまにシリアスな感じで展開していきます。無断転載等はご遠慮ください。 ※リンクフリーですが、報告をいただければ幸せです。 ※オンラインブックマークは厳禁です。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

拍手する

彼と僕3

彼と僕。3



昨日は更新できずに申し訳ありません。
画像つくりに夢中になってました。
拍手の返事は明日します!





ぴぴぴ…と鳴る目覚まし時計を消し、隣に眠っている子どもを起こさないようにスザクはベッドから降りた。
そっと振り返るとすーすーと一定の寝息を立てて眠るルルーシュの姿にふっと顔が緩んだ。
ぽんぽんと頭を撫でるとすっきりするために洗面台へと足を運ぼうとする。

「にゃーん」
「アーサー、ごめん起こしちゃったかな?」
自分の足元に擦り寄ってくる黒猫を抱き上げて、一緒に洗面台へ行く。
「洗顔して歯磨きしたらミルク上げるから、ちょっと此処で待っててね。」
足元にアーサーを下ろし、顔を洗い歯磨きをする。鏡に写ったとんでもない寝癖にむっと顔をしかめた後、ブラシを手にとって何とか見苦しくない程度に収める事に成功すると、アーサーを再び抱き上げて今度はキッチンへ向かった。
朝食を作る前に約束していたミルクを上げて、手際よく調理する。
今日はランスロットの起動テストがあるということでいつもよりカロリー高めのメニューにし、ルルーシュには軽めのものを用意した。
6歳の頃の自分だったらもっと食べる事に貪欲だった様に思うが、ルルーシュは食べる事にあまり関心を示さない。
プリンなど自分が嗜好しているものを前にすると目を輝かせるがそれ以外は必要になったら食べるといった感じだ。
(うーん、これが偏食って言うのかなぁ…。いや、違うなぁ…。)

焦げそうになる具に慌ててなべをかき混ぜて、水を足して煮込む。
その間に特派の軍服に着替えて、ミルクを飲み終えたアーサーの皿を片付ける。
頭を撫でようとしゃがみこんだスザクをチラッと横目にアーサーは寝室に眠るルルーシュの元へと戻っていった。
「はくじょうもの~~~~。」
どうして僕は猫に好かれないのか思いため息を吐きつつ、テーブルにご飯をよそいそろそろルルーシュを起こす時間だなと時計を見やる。
本当はまだ眠らせておいてあげたいが、今日は軍務があるために家を空けなければならない。
寝かせたままこっそり出て行こうと思っていたのだが「それはいやだ」と悲しげな顔をされたら「はい。起こします。」と約束せざるを得ない。
ルルーシュを一人残しておくのは不安だが、我慢してもらおう。
(昼ごはんは冷蔵庫に作り置きしているって伝えないと…。)
色々と伝える事を確認しながら、朝食には欠かせない味噌汁をおわんに注いでいると足元にポスンという感触。

「ルルーシュ、一人で起きたの?早いのにえらいね。」
「あーさーがおこしてくれた…。」
まだねむいのだろう、ろれつの回らない口調にくすりと笑い、目をごしごしとこする手を掴んで止める。
洗面台まで誘導してルルーシュ専用の台に立たせて顔を洗う。
やわらかい肌を傷つけないように優しく顔を拭きタオルを離すと、すっきりとした顔のルルーシュが「おはよう」と顔を寄せてきたので、スザクからも挨拶を返した。

 

「じゃあ、いただきます。」
「いただきます。」
「今日も味噌汁だ。」
「僕は朝食に味噌汁がないと一日落ち着かなくって。」
「ふふ。しゅざくおもしろーい。」
「そうかな?ああそうだ。ルルーシュ、今日から僕は仕事で家を空けるけど…本当に一人で大丈夫?」
昨夜『仕事場まで一緒に行く?僕の上司なら多分良いって言ってくれると思うけど…。』と提案してみた。ロイドとセシルの性格からして邪魔をしなければ居て良いし、むしろ一人ではかわいそうだと哀れむセシルさんに『連れてきなさい』と命令されそうなくらいだ。
しかしルルーシュは『ここでおとなしくしておく。』と頑なに拒否したのだった。

いよいよ出勤する時間が迫ってくるが、落ち着いた表情をしているルルーシュに対してスザクはまだ不安そうだ。心配だ心配だ…と表情に現すスザク。それを苦笑気味に見つめるルルーシュ。
「ルルはいつも一人でお留守番していたし、大丈夫だよ?」
「そうなのかい?一人でさびしかっただろうに…。」
「大丈夫。アーサーも居るし。――それより遅刻するよ?」
「!!やばい!もう行かなきゃ!!ルルーシュ、なるべく早く帰ってくるから。誰か着ても絶対ドア開けちゃだめだからね!?電話も出なくて良い…あ~6時以降になったら僕からかもしれないからでてね!?あ~、それと、えっと……」
「しゅざく、時間…。」
「うわぁ!いってきます!!アーサー、ルルーシュをよろしくね!!」

そういって飛び出すと鍵をしっかりとかけてスザクは駆け出した。
ちらっと自分の部屋の方を見ると窓からルルーシュが手を振っていた。
きっと帰ったらあの窓からは明るい光が漏れていて、ドアを開ければルルーシュが「お帰り」と出迎えてくれるのだろう。
長年味わっていなかった家族の暖かさをかみ締め、手を振り替えしながら、スザクは加速した。

 

 

暑い。
パイロットスーツは体に密着していて機敏な動作ができるという利点があるが、サウナ状態になるという欠点もある。
ナイトメアの起動テストをしている今、パイロットスーツに汗がしみこむほどスザクは汗をかいていた。
(そろそろ水分補給がしたいな…。)
そんな彼の心を読んだかのようにセシルが『スザク君、そろそろ休憩にしましょうか。』とスピーカー越しに提案してくれた。
「はい。今出ます。」
コックピットを下げ、ラダーにつかまりナイトメア――ランスロットから降りると、セシルがタオルをもって待っていてくれた。
「どうそ。汗沢山かいたでしょう?」
「はい。サウナに入った後みたいです。」
「お茶を用意しているから。そのあともう少しだけテストに付き合ってもらうけれど、大丈夫かしら。」
「大丈夫です。あの…その、今日のお茶請けは一体…?」
お茶をいただける事は大変ありがたい。
しかしお茶請けとなるお菓子は大体がセシルのすばらしい創作料理で。
できるだけ食べたくない…というのがスザクの本音だった。
「今日はロイドさんが買ってきたプリンよ。」
「プリン…。」
「ロイドさんも本当にプリン好きよねぇ。今度はプリンを焼く事にしようかしら。」
「ええ!?」
「どうしたの?」
「い、いえ。そのときはロイドさんに上げると喜ぶと思いまして…。」
「そ、そうかしら///」
「!」
自分に与えられるより、本当は部下としては不敬に当たるだろうが背に腹は変えられないとロイドに押し付けようとしたのだが、どうやら彼女のやる気に火を注いだようだ。
(この間のさくらんぼ入り砂糖まぶしおにぎりよりはましでありますように…!)ばれたら確実に起こられてしまうような事を願ってしまったスザクを攻めるものは、特派には決して居ない。


休憩室に行くと「まってましたぁ~」とロイドが腰を少し浮かせて歓迎する。
それほどまでにプリンが食べたかったのだろう「はやくはやくぅ~」とセシルをせかしている。
香りよい紅茶を用意し、プリンを三人分冷蔵庫から取り出して配る。
「う~ん。色といいこの香りといい!やっぱりネロのプリンは最高!」
「食べる前から分かるものなんですか?」
「もちろんだよぉ。君が女性を外見で最初は判断するようにぃプリンにも第一印象が重要って訳!」
「いえ、僕はそんなタイプでは…」
「そうですよ、ロイドさん。スザク君はそんな男性ではありません。」
「あら~そぅなの?僕はナイトメアの外装で大体判断しちゃうけどぉ~」
それがどうしたら僕が女性の外見で判断するとイコールでつながるのだろうか。彼にとって女性=ナイトメアというほどに恋しちゃってるんだろうなぁと自分を納得させつつ、スプーンでプリンをすくう。
口に運んだそれにスザクは思わず目を丸くした。
「…おいしい。」
「でしょ!?しっとり且つぷるぷる。濃厚だけど甘すぎず。バニラビーンズの香り具合も絶妙!」
「はい。これはおいしいです!どこのお店のですか?」
「ネロっていうお店だよ。」
「ネロ、ですか…場所はどこに?」
「オクスフォードサーカスのバス停の傍にあるよ。なんだい?スザク君買いに行くの~?」
「ええ、是非買いたいなぁと。」
「う~ん、予約とかしなきゃ買えないよ~ここ、超老舗店だしぃ。」
「そうなんですか!?…あ、僕の身分じゃ予約はできないんですかね…。」
「ちょっと無理かもねぇ~」
「ロイドさん!!」
ばしっとロイドの頭をはたくセシルに「ごめんなさい!でも、本当に無理だからぁ!」と言い訳をする。
それに叩く手を止めて「何故なんです?」と問う顔が怖かったのだろう。いいますから!とロイドは居住まいを正した。
「僕はこう見えても身分があれだしぃ~御用達って訳。だから少し位融通してもらえるけど、普段はブリタニア人でも滅多に買えないの。」
「そうなんですか…。」
「残念ね、スザク君。誰かに上げたかったのかしら?」
それを聞いたロイドが「なになにぃ?枢木准尉って恋人いたのぉ?どんな人ぉ?」とにたにた笑って体を乗り出す。それに体を少し後ろにずらしながら「恋人なんかいません」と否定すると。なんだつまらないといった表情にすっと戻り、「じゃあ誰にあげるのさぁ」とふてくされながら言う。
きちんと椅子に座りなおすと、もう一口プリンを口に運び、質問に答えた。
「実はおととい子どもを拾ったんです。」
「「こども??」」
驚いたようにステレオで復唱する二人に、仲良しだなぁと思わず笑う。
「はい。ゲットーの廃墟で見つけまして…。家族が居ないという事でしたので、僕が引き取り先になろうかと。」
「じゃあその子は今スザク君の家にいるのかしら?」
「はい…心配なんですが、大丈夫だと言い切られたので…。」
「それは不安ねぇ…名前はなんていうのかしら?」
「ルルーシュって言います。」
「え?ブリタニアの子ども?」
「はい。珍しいですよね。」
それを聞いたとたんロイドがふと興味ありげにうつむいていた顔を上げた。
「ルルーシュっていうのかい?何歳位の子どもなのぉ?」
「六歳だって言ってました。」
「ふ~ん……六歳ねぇ…」
「一番母親が恋しい頃でしょうに…かわいそう。」
「はい。――あ、あの相談なんですが、住民手続きって住民ナンバーがないとできないですよね?」
「ええ、できないと思うわ。住民カードをもって提出しなければ何もできないはずよ。」
ですよねぇ…とがっくりとうなだれる。
ルルーシュは番号を知らない所か、カードを逃げる際に紛失してしまったというのだ。
それは犯罪に使われるかもしれないから探しに行こうとするスザクを「きっともう壊れちゃってるよ」とルルーシュが必死に食い止めた。大丈夫かなぁと不安に思いつつも、必死のその姿にほだされてスザクは結局探しに行かなかったのだが。
「でも、どうしたの?」
「ルルーシュの保護者手続きとかしなきゃいけないかなぁと思って…。」
「そうねぇ。学校の手続きとかもあるし…。」
「その子、一人だったの?」
「え?は、はい。妹も亡くなってしまったみたいで…。あ、猫が居ます。」
「猫。君よく噛まれたりするから大変なんじゃなーい?」
「そうなんですが、アーサーは賢いのであまり噛まないですね。引っかかれますけど…。」
それは大変ねぇと相槌を売ってくれるセシルとは逆にロイドは何事か考え込んでいる。
それを疑問に思いつつ、どうしたら良いのかセシルと話し合う。
結局はカードが無いとどうにも成らないという結論に至ったのだけれども。
二人して困っているところに、何事か考えていたロイドがようやく口を開いた。
「スザク君、その子の住民票くらい僕がどうにかして上げれるよぉ」
「「!!本当ですか!?」」
「あは~。ほら、こう見えても僕、貴族だしぃ。」
「そうでしたね。ロイドさんはそうみえてもアスプルンド家の方ですものね。」
「ひどいよセシルく~ん。家なんて僕はどうでもいいの!」
「あ、あの。本当によろしいんですか?お願いしていいんですか?僕もできればルルーシュを学校に行かせてあげたくて…。」
「いいよ。いつもランスロットのテストに付き合ってもらってるしぃ。」
「ありがとうございます!!!」
「じゃあ明日までに必要な事項を調べてくるからぁ、それからってことで。」
「はい!!」
立ち上がってロイドの元まで近寄り勢いよく礼をする。
「じゃあそろそろテスト再開ね。セシルくーん、とりあえずさっき渡したとおりにやっておいて。」
「分かりました。ロイドさんはお出かけですか?」
「その資料をしらべてくるだけぇ~。じゃああとで。」
手を振りながら退出するロイドにもう一度「ありがとうございます!」とお礼を述べた後、「じゃあ行きます。」とセシルに声をかけてランスロットに戻り、テストを再開した。

 

 

スザクが出勤してからまだ5時間しか経っていない。
作り置きしてくれたご飯もちゃんと食べたからおなかも空いていない。『好きにつけていいからね』といわれたテレビは何も面白い事を伝えないので電源が切ってある。
がらんとした室内で見つけた本を手に取り、ベッドにごろんと転がるとスザクのにおいがする枕にポスンと頭を載せて『戦術と策略。~ナイトメアの有効活用~』という生々しいタイトルの本を読み始めた。
ずっと横に居たアーサーがすりすりと近寄ってくる。耳をカリカリと掻いてやるとゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らした。
アーサーにミルクを上げようと体を起こしたときだった。
チャイムが鳴り響いた。


「しゅざくに出るなって言われてるし…。」


言いつけられたことを忠実に守るルルーシュは、「なんだか狼と七匹の子ヤギみたい。」とくすくすと笑みを漏らした。ドアの方に駆け寄ろうとするアーサーを引き止めて、一緒にシーツにもぐる。
「あったかーい。ね、アーサー?」
「にゃーん」
顔をくっつけてゴロゴロしていると、ガチャリと扉が開く音がした。
一瞬スザクかな?と思ったが『僕は6時過ぎないと帰ってこないからね』という言葉を思い出してシーツの中で固まる。
誰かが、侵入してきた。
(誰だ―誰が入ってきたんだ!?強盗…!?)
ガタガタ震えていると足音がどんどん近づいてくる。軍のマンションだというこの部屋はキッチンと居間、そして寝室。あとはバスとトイレしかない。
リビングのドアが開く音がする。きっとそこを見た後は此処にやってくるのだろう。
とうとうガチャリと音がして寝室の扉が開かれた。
(しゅざく――!!)
ぎゅっと目を瞑り、家族になろうといってくれた人の顔を思い浮かべる。
(しゅざく、助けて!!!)
そう思った瞬間だった。


「ルルーシュ殿下、僕ですよ。」


聞き覚えのある声がして、ルルーシュはそっとシーツから顔をのぞかす。
そこには逃げ出したあの家の――ブリタニアの家族である兄の部下の姿があった。


「――ロイド。」
「お久しぶりです、ルルーシュ殿下。」
そういってひざまずく彼にルルーシュはただただ目を丸くして驚いた。


 

PR

拍手する

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Trackback

この記事にトラックバックする

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

フリーエリア

最新コメント

[11/14 fai]
[11/14 通りすがりの名無し]
[10/22 ファイ]
[10/20 あんず]
[10/15 ファイ]

最新トラックバック

プロフィール

HN:
ファイ
性別:
非公開
職業:
大学生・星座の観察員
趣味:
寝転がる
自己紹介:
スザルルにグラグラさせられ、とうとう自分で妄想を形にするにいたった者です。
スザルル同士の方々、一緒に萌えましょうぞ!!

バーコード

ブログ内検索

最古記事

(08/11)
(08/11)
(09/30)
(09/30)
(09/30)

カウンター

Copyright © くるるる星座 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]