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くるるる星座

     スザルルにくらっと落とされた管理人によるスザルルサイト。 浮気できない性質なのでスザルルのみ。 ラブラブ甘々でたまにシリアスな感じで展開していきます。無断転載等はご遠慮ください。 ※リンクフリーですが、報告をいただければ幸せです。 ※オンラインブックマークは厳禁です。

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絆13

絆~ゆかり~⑬

 

 


自分の目の前に立つ存在を視界にいれた瞬間、スザクは慌てて仮面を被ろうと手に取った。
それを許さないとばかりに彼はその手から仮面を叩き落とす。

するりとしなやかな獣のように近寄ってくる彼は確かにルルーシュで。
でもルルーシュでありながら、なぜか自分の主であった『ルルーシュ』を思い立たせ、スザクを混乱させた。
ルルーシュはスザクの頬にそっと手を当てて、微笑んだ。


「スザク――。」
「ル、ルルーシュ……ルルーシュなのか?」
「俺以外の誰に見えるというんだ?」
そういってにやりと笑うと、ルルーシュはスザクに抱き、肩に顔をうずめた。

「会いたかった――。」
顔を離して自分を見つめる彼の頬に流れる涙を見て。
スザクはルルーシュを力いっぱい抱きしめた。

「ルルーシュ…!」

自分の頬にも流れる涙をそのままに、本能が導くままスザクはルルーシュに口付けた。
触れ合うだけのそれは徐々に深まり、スザクもルルーシュも夢中になりお互いの存在を確認しあった。

 


「おい。そろそろ私の存在を思い出せ。」
あきれ返ったC.C.の声でふと我に返ったスザクは、がばっとルルーシュから離れて「ご、ごめんC.C.」と顔を真っ赤にして謝罪をする。
「お前は…もっと空気を読め。」とぼやくルルーシュをちらりと見つめてスザクは改めて状況を把握しようとした。
しかし突然の再会――いや、再会といえるのだろうか?――を果たし、混乱しきったスザクの頭は正常に働く事を拒絶し、ただルルーシュを再び触れ合う事ができた事を喜ぶだけだった。

三人でテーブルにつく。
200年以上前の日常が再現されたようで、なんと言っていいのかわからない心境に陥る。
ルルーシュとスザクがお互いを理解しあって手を取ったあの日々。
実質3ヶ月に満たなかったあの時間はスザクの人生の中で、あの輝く夏の日々に次いで大切な時だった。
「のどが乾いた。」と尊大に言う二人の女王様の為にスザクは紅茶を用意する。彼の淹れる紅茶は―もちろんその三ヶ月の間に二人にしごかれた成果だが―舌の肥えた二人をも満足させる一品で。

ほっと一息を付いたところで改めてこの状況を考察する。
ルルーシュだったルルーシュが『ルルーシュ』になって…ああもう!ややこしい!んで、なぜかゼロの仮面をはじかれて?あれ、その前にルルーシュは僕のベッドで眠ってて…?あれ?あれ??!

「相変わらずの体力馬鹿だな…。」
「200年経っても変わらないぞ、あれは。少しは変わればいいものの…」
「馬鹿を言え。ああいうところがかわいいんだろう?」
「……お前こそ空気を読め。」

何事も無かったかのように会話を続けるC.C.とルルーシュに(君達のような毛の生えた心臓を僕は持ってないんだよ)と心でつぶやきながら、とりあえず質問をする。
「それよりも!どうしてルルーシュがルルーシュになったわけ?」
「訳の分からない質問をするな。俺は俺だ。」
「そういう意味じゃなくって!その体はこの時代に生まれ変わった君のものだ。だけど中身?中身というか頭脳???」
「――ニュアンスは伝わるから続けろ…。」
「え、そう??まあ、その中身は僕の知っているルルーシュのだ。なんだいこの現象。C.C.が実はシャーマンで、死後の世界にいるルルーシュをルルーシュの体に憑依させたとか??」
「ぶはっ!」
「くっ、あははは!!」
たまらないといったように噴出して笑う二人にスザクはむっとする。
彼なりに必死に考えた結果がこれだ。それを笑うなんて―と思うが確かに自分が言った事は馬鹿らしかったかもしれない。
でもここまで笑わなくても――。

ふう、とため息を吐きながら「スザク……お前は本当に馬鹿だな。」とルルーシュが体を笑う。
ここまで笑う彼を見るのは本当に久しぶりで。
馬鹿にされてむっとした事も忘れスザクも笑ってしまった。


「別に俺がこいつの体をのっとった、というわけじゃない。」
「え?」
「もともとはひとつの存在のはずだった。俺がCの世界に囚われなければ。」
「ルルーシュ……。」
「俺『たち』は何かが欠けている事を自覚していた。それが何かも分からずに…。C.C.がCの世界にいた俺を迎えに来て今の俺と同化させようとしたとき、俺かこいつのどちらかが食われて無くなってしまうんじゃないかと考えなかったわけじゃない。」
「うん……」
「でも、もしそれによって俺が消えたとしても。それでも、C.C.に聞いたお前のことが知りたかったから――。」
「ル、ルルーシュ…。」
その言葉にはっと顔を上げて彼を見つめる。
「結局俺達はどちらかが消える事も、分裂する事も無く。本当にひとつに戻れたんだ。―――だけどお前はなんだ?お前はどうしてこうして生きている――?!」


悲痛な声で問うて来るルルーシュの声を聞きながらスザクは瞳を閉じた。

真っ暗な視界に蘇るのは、スザクの人生が幕を閉じたあの時だった。

 

 

 

 

 

ゼロ!ゼロ!ゼロ!ゼロ!!
民衆が救世主『ゼロ』の名前を呼び、彼の偉功をたたえる。
コーネリアの声により我に返った者達は人質を解放しようと走り寄る。
身を切り裂かれるほど悲痛な泣き声をあげるナナリーの横に横たわる彼の姿。
彼の遺体はジェレミアによって運ばれる手はずだったが、その前に暴走した人々によって彼の体は無残にもいたぶられ様としていた。
彼の恋人で親友で唯一の騎士である枢木スザクは、彼が全て連れて逝った。
本当はここはゼロとして行動しなければならないが、ゼロはどうしても民衆の行為を見逃す事ができず、彼らから彼の遺体を引き剥がし連れ去った。

彼の遺体は僕の為に建ててくれた『SUZAKU KURURUGI』の墓に埋葬した。
『お前と一緒に…眠りたい』と言った彼の最後の願いだった。

本当は、彼の好きだったアリエスの離宮か、見晴らしの良いところに眠らせてあげたかった。
でも彼の望みだったから。僕がゼロとしての活動を全うする事ができて、人生を終えるときが来たら、この墓に彼と一緒に眠ろう。

アーサーは僕が死んだとされてからずっと僕の墓の前から動かないらしい。
僕には最後まで懐いてくれていなかったと思っていたけど、こうして実際に座り込んで動かない彼の姿を見るとそうでもなかったようだ。

白と金でできた豪華な棺は石碑の前に掘られた穴の中に埋まっていた。
蓋を開けて、彼の肌のように白く瑞々しい百合を敷き詰めた棺の中にそっと体を横たえる。
祈りを捧げるかのように組んだ手に、僕が彼を殺した剣を握らせる。
冷たく血の気の無い頬をそっとなでる。あまりの冷たさにびくっと手が震えた。

青かった空は、赤色に染まりつつあった。
最後に――とひとつキスを落として棺のふたを閉じる。
蓋の陰がどんどん彼の顔を黒くしていく。

ガコン。

ばさっばさっ。


土をかぶせる。
そして白い棺は地中の中へと消えた。

 

赤色がやみ色に染まり、そろそろゼロとして民衆の前に戻らないといけない。
でも、ゼロはその場を離れる事ができなかった。
じっと座り込むゼロに、今までの出来事を傍観していたアーサーが近寄ってきた。
気まぐれに僕に甘えてくれたアーサー。
ルルーシュには懐いていたアーサー。
すでに仮面を装着し、ゼロとなった僕の指をぺろぺろと舐めてくれたアーサーの暖かさに、ゼロはもう我慢する事ができず大声を上げて泣き出した。


「うわあ゛あ゛あ゛!!!」


アーサーはただひたすら泣き続ける僕の傍にずっといてくれた。

 


ひとしきり泣いた。
僕はもう、いくよルルーシュ。
アーサーが君の体を見守ってくれるよ。
君のギアス――僕が必ずかなえてみせる。

そう心で呟き、ゼロは墓を振り返ることなく霊園を後にした。

 

 


自分の異変に気が付いたのは、ゼロとして忙殺された日々をすごし久々に得た休日の事だった。
仮面や手袋をしている事で身の回りの手入れをする事を怠っていたゼロは、爪切りとはさみを用意するとバスルームへ向かった。
久々に仮面を外した自分と向かい合う。
最近体の年齢は19を迎えたというのに自分の容姿があまり変わっていない事に首をかしげる。
それを軽く流して前髪と後ろ髪を整えようとしたとき。
自分の髪がまったく伸びていない事に気が付いた。
そして爪に目をやる。
そこも同じくまったく変化が無かった。

体重計に乗ってみる。忙しい日々のせいかゼロになる為にダイエットをした時より、2キロほど痩せていた。
それにほっとため息を吐き、食事を怠ったから栄養が足りずに行き届いていないのだ、と結論付けてバスルームを後にする。

適当に栄養補助食品を口にした後、毎日つけている仮面の手入れにストレッチを行う。ゼロとしていついかなる時でもすばやく対応できるように体力は必要なものだった。

骨格筋もチェックしておくか…ともう一度体重計に乗る。
先ほどは2キロ近く軽かった体重が、いつの間にか元の体重に戻っている。
骨格筋も体脂肪も、体年齢も。何一つゼロになる前の存在から変わっていなかったのだ。

そこでようやくゼロは自分の体の異変を自覚した。

 

 

異変が起こってから2年後。
ゼロはあのときからまったく成長していなかった。
訳の分からない状態に混乱し、精神が不安定な時期が続いていたところにC.C.が現れた。


「久しぶりだな。元気か?」
「C.C.――!!ねえ、これはギアスのせいなのか?生きろというギアスなのか!?」
「おい、いきなり何事だ!乱暴な!!」
肩を掴んでぐらぐらと揺さぶるスザクの手から逃れると「一体なんなんだ…人がせっかく顔を出してやったのに…」とぶつくさ言うC.C.の前に仮面を外した顔をさらした。
聡いC.C.はそれだけで何が言いたいのか分かったようだった。


「生きろというギアスではそうはならないはずだ。」
「でも、実際に僕の体は成長を止めている…髪の毛だって、まったく伸びない。いや、切ったら元の長さまで異様な速さで戻るんだ。まるでこの状態を維持するかの様に。」
「――そうか…。」
「それに…」
「なんだ。途中で止めるな。」
「それに…僕の心臓。止まってるんだ。」


それを聞いたC.C.は、ジェレミアさんを使って信頼できる医者を用意し僕を診察させた。
結果、僕の細胞の年齢は18歳を示し、心臓は動いていない事がはっきりと確認された。
心臓が動かないのに生きているはずが無い。そう思った。しかし心臓の力を使わずに血液は循環し続け、僕の体を生かし続けている。
訳が分からなかった。
もちろん僕だけでなくジェレミアさんやドクターも困惑しきっていた。
唯一C.C.だけが真実を掴んだような表情で僕を見つめていた。

 

「それはルルーシュがかけたギアスじゃない。」
「じゃあなんなんだ一体!まさか、シャルル皇帝のコードが…」
「それは無い。あのコードはあいつと共に消滅した。」
「なら一体…!!!」
これでは墓で自分を待っているルルーシュの元へ逝く事ができない。
どうして自分はこうなってしまったのか。

「分からないのか?」

「お前は、自分で自分に呪いをかけたんだ。」

「ルルーシュの望みをかなえるために。永遠にこの世界を見守っていくために。」

 

「え――?」


「ルルーシュを殺した事がそれほどお前には重かったという事だ。まったく…体力からして人外だと思っていたがこれほどとは…。」
「僕が、自分に呪いを……」
「で。どうする?お前はどうすればその呪いから解放されるか、知りたいか?」
「……。」
「それは、お前がお前を許す事。自分がしたことを許しルルーシュの元へ胸を張って会いにいけるとそう思ったとき、お前は呪いから解放されるだろう。」
「……自分を許す…。」

少しは自分で考えろ。とC.C.は部屋を出て行った。
ああいっているが本当は僕を一人にしてくれた事くらい分かる。

僕が自分を許す事なんてできるはずが無かった。
ルルーシュは、僕の最愛だった。
彼のためなら、彼が願う事ならなんだってかなえよう。そう思った10歳の夏。しかしその誓いは僕や彼の行動によってさえぎられてしまった。
彼に裏切られ、彼を裏切り。お互いの大切な人を手にかけ仲間を失い。
それでも、どうしても愛しいという気持ちを捨てることができなかった。
彼と手を組み、ゼロレクイエムの内容を聞いたとき。本当は彼をののしりたかった。

「これが君の僕に与える罰なのか!」と。


愛しい人に自分を殺せと願われる。
これほどの衝撃を味わう人は早々いないだろう。
それでも、それでも彼が笑顔でそれを願うから。僕はそれをかなえた。

彼が願ったからだとしても自分を許す事などできなかった。
自分が最初から黒の騎士団にいれば――彼をうまく説得してゼロを止めさせていれば…後悔が自分を許さない。

 

不老不死が僕が僕にかけた呪い。

 

 


「C.C.」
「なんだ、考え事は終わったか?」
「ああ。―――君のコードを僕が引き継ごう。」
「…何を一体。」
「僕はこうして不老不死となった…そして僕は自分を許す事はできないと断言できる。それならば君からコードを引き継ごうと思う。」
「そんな事、私が喜ぶとでも?」
「君と僕は死にたがり…似たもの同士だった。」
「そうだ。だがお互いそれに見放された存在……。」
「うん。」

チーズ君を抱きしめたC.C.は考え込むようなしぐさを見せた。

「今は…今はまだ答えを出せない。」
「分かった。いつでもいいから、受け渡したくなったら僕に言ってね。」
「ああ。」
そういって退出するスザクを哀れむような瞳でC.C.は見送る。
「私はお前にコードを渡す事はしないよ…。」

 


世界が平和になり、そろそろゼロの出番が必要なくなってきた。
ナナリーは最後まで国を平和に導いた偉大な皇帝としてこの世を去った。
彼女の死を見届けた後、ゼロは誰にも気づかれる事無くブリタニアを後にした。

そんな僕の前にふらりとC.C.が現れた。
コードを渡す気になったのか?と問いかけると否、と否定される。

「お前はこれからどうするんだ?」
「どうしようかな…もう"ココ"に俺は必要ない気がするんだ。」
「……。なら私と行こう。愛しくも憎らしいこの世界を見て回ろうじゃないか。」

 

そういって世界各地を転々としながら、いつの間にか200年が経ち。
日本で怪しい動きがあることを察知した先で、僕と彼女は『彼』を見つけた。



そこまで話終えた後、ぼかっと頭を殴られて思わず「いたっ!」と声を上げる。
殴られた部分をなでながら見上げると、涙で顔がぼろぼろにしたルルーシュが拳を震わせていた。


「この、馬鹿!!大馬鹿!!馬鹿馬鹿馬鹿!!!」
「ちょ、ルルーシュ!痛いって!!」
「馬鹿!体力馬鹿!運動馬鹿!猫馬鹿!――俺馬鹿め!!!」
「ルル…。」
「なんなんだ一体。死ねない呪いとか。お前はマゾか。自分からそんな呪いをかけるなんて」
「君だってCの世界に一人っきりだったじゃないか。」
「俺は自業自得だからいいんだ。でもお前は!」
「僕だって自業自得だ!君はまだ罰から逃れきっていないんだって?自分を許さないと駄目らしいじゃないか」
「それを言うならお前もだろうが!許して心臓を動かさないと駄目なんだろう?!」

この、わからずや――!!
涙で酷い顔をしながらお互いをにらみつける二人をよそにC.C.はうんざりした表情をしつつも、どこと無くうれしそうに見えた。



「「お前の呪い、俺が絶対に断ち切ってやる――!!」」



 

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大学生・星座の観察員
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スザルルにグラグラさせられ、とうとう自分で妄想を形にするにいたった者です。
スザルル同士の方々、一緒に萌えましょうぞ!!

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