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くるるる星座

     スザルルにくらっと落とされた管理人によるスザルルサイト。 浮気できない性質なのでスザルルのみ。 ラブラブ甘々でたまにシリアスな感じで展開していきます。無断転載等はご遠慮ください。 ※リンクフリーですが、報告をいただければ幸せです。 ※オンラインブックマークは厳禁です。

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M by C6

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皇族相手に話す新一さんの資料がありません(笑


よって適当ですが、よければ続きからどうぞ



 

ガチャリと音を立てて開いた扉の向こうから、黒い服を纏った男性が部屋に入ってきた。その後に白い服に身を包んだ男性が付き従うように入ってきた。
横に居た警備隊の一人が新一の後頭部を押さえ、礼をとらせたため顔を見る事はかなわず、彼らの足もとを見つめた。
周りの警備隊がいっせいにブリタニア式の礼をとるのを横目に、黒い服の男は上座に用意された豪華な椅子に腰を下ろした。

 

「顔を上げよ。」

高圧的なテノールが礼をとっている新一の頭上から響く。
同世代の男に偉そうな態度をとられ、少しカチンとくるが「相手は皇族」と心を沈めて顔をゆっくり上げた。
見上げた視線の先には御伽噺や映画に出てくるような皇族服を纏った皇子。
普通の人が着たならば笑いがこみ上げる衣装も、着るものが違えばここまで変わるのかと驚く。
ひきこもりの皇子と言われるだけあって部屋から出る事はあまりないのだろう白い肌が日本人よりも美しい黒髪と見事なコントラストを生み出し、近寄りがたい神秘さをかもし出していた。
美しいと絶賛された自分の母とはまた違った美しさに、思わず感嘆の息が漏れた。
(皇子様ってやっぱりちげーな…。)


「私は神聖ブリタニア帝国第11皇子、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアである。突然呼び出してすまないな、高校生探偵の工藤新一殿。」
「いえ、この様に間近で謁見させていただくことが出来、恐悦至極にございます。」
「そう硬くならないでくれ……お前たち、少しの間席をはずせ。工藤殿と話がしたい。」
退席を命じられた警備隊は「出来ません。殿下の身をお守りする事が我々の役目なのです。」と慌てるが、「これは命令だ。そう時間はかからん。」と譲らない皇子に根負けして、すごすごと退室した。

扉がパタンとしまるのを見送った後、「さて」と声をかけて皇子は再び視線をこちらに戻した。
何がしたいのかさっぱり掴めない皇子に質問すべく、意を決して口を開いた。
「あの……」
「どうした?工藤殿。」
「警備隊をはずしてよろしかったんですか?御身に危険が迫ったときのための警備隊では…」
「ふっ、大丈夫だ。話が済み次第すぐ呼び戻す。それにあいつらだって私が大丈夫だと分かっているから、おとなしく引き下がった。」
自信たっぷりに答える皇子に疑問を抱く。
「と、いいますと?」
「俺には優秀な騎士が付いてるからな…な、スザク?」
皇子の視線につられて新一の視線も、彼の背後に影のように立ち尽くしている白い衣装の男に向かう。
茶色い髪に印象的な大きな緑色の瞳。日本人だという事だが、どちらかというとヨーロッパ系の色合いの彼は年齢より幼い顔立ちをしていた。

「殿下…自分にも限界があります。もしもの為に彼らには居てもらったほうが…。」
「工藤殿と話をする間だけだ。それにお前が俺を守りきらないはずがないだろう……?」
じっと主に見つめられて、彼は困ったような笑みを浮かべて「では早く話をつけてしまいましょうね?」と皇子に返事をすると、新一に向かって腰を折った。
「挨拶が遅れて申し訳ありません。私はルルーシュ殿下の筆頭騎士を勤めます、枢木スザクと申します。」
「あ…工藤新一です。」
「存じ上げております。…では殿下、お話をお願いいたします。」
促された皇子はこくりと頷き、新一に席を勧めて話す姿勢に入った。


「工藤殿は怪盗KIDから宝石を守りきる自信はおありだろうか?」
「怪盗KID…ですか?」
皇子は胸ポケットから一枚の写真を取り出しスザクに渡す。スザクはそれを受け取ると新一に歩み寄って写真を手渡した。
礼を告げてそれを見ると、それには大きな紫色の宝石が写されていた。

「それは今回、我がブリタニア皇族が日本政府に貸し出す宝石『マリアンヌ』の写真だ。」
「美しい宝石ですね。さすが……ブリタニア。」
「怪盗KIDという国際指名手配の怪盗がその『マリアンヌ』に予告状を出した。本来ならば日本警察を信頼して警備をお任せするところだが…如何せん不安でな。」
「日本警察は世界でも好評価を受けている組織です。きっと怪盗KIDから守りぬいてくれる事でしょう。」
「確かに日本警察の能力はすばらしい…しかし、これは我が母の形見。念には念を押しておきたい…。そこで工藤殿の評判を聞きつけてな。是非貴殿に『マリアンヌ』の警備をお願いしたい。」
「僕が…ですか?」
「ああ。お願いできないだろうか?」
写真から皇子に視線を向ける。にっこりとロイヤルスマイルを浮かべている皇子からは考えが読み取れないが、写真を渡した後再び皇子の背後の定位置に戻っていたスザクからは有無を言わさぬ重圧的な雰囲気が漂ってくる。
(……皇族にお願いされて断るわけねーよな?ってことか?……まあ、そうなんだけどな)
うーんと悩む様子を見せる新一に「工藤殿、受け入れてもらえないだろうか。」ともう一度皇子から声がかかる。
ここ最近は予告状を出されたターゲットからの依頼やよっぽどの事がない限り快斗の仕事場である現場には顔を出していなかった。

彼がなぜKIDとして活動しているのか知ってしまったから。
彼の戦いを妨げるわけにはいかない。
でも…久しぶりに白い衣装をはためかせて夜空を駆け抜ける恋人の姿を見てもいいだろうか…。

気が付けば新一は「慶んでお受けいたします。」と返事をしていた。

 

 

警備隊の一人にエントランスホールまで見送ってもらう。
最上階から一気に一階まで下ったエレベータに少しくらりとしつつも、「ここまでで結構です」と警備隊に別れを告げてエレベーターから降りる。
きっと待ってるだろう二人の姿を視線を巡らせて探すと、先に新一の姿に気が付いた二人がこちらに駆け寄ってきた。
「新一!大丈夫だったか!?」
「なにもされへんかったか?!」
想像通り動転している二人に工藤邸に帰ってから話そうと帰宅を促す。

(さて、どう説明するかな…。快斗は俺が参加すると知ったら久々の対決だと喜びそうだが…問題は服部だ。自分だけ参加できないと文句を言い出しかねない…。)
大きなため息を吐く新一を案ずるような二対の瞳が見つめてくる。
それに軽く笑みを浮かべて入り口に止まっていたタクシーを呼び止めて三人は帰宅の徒に付いた。

 


「ルルーシュ様。見知らぬものと謁見しているときに警備隊を遠ざけることは、もうなさらないでくださいね。」
「なぜだ?」
「ですから私にも身体能力の限界がございます。あなた様の安全には万全を期したいのです。」
「ふふ…お前の能力は嫌というほど知っているさ…。」
「ふう……。ところで、殿下も宝石の警備には参加なさるのですか?」
「当たり前だ。分かっているくせに聞くな……。スザク、少し休む。服を脱がせろ。」
「はい。殿下、二時間後には天皇陛下との謁見が控えておりますが…。」
「分かっている。だから……お前も一緒に寝ろ。」
自分から上着を抜き取る腕をぎゅっと掴み、反対にスザクの体からマントを外すとぐいっとベッドに押し倒すと、自分もその横に寝転がる。
胸の辺りに懐く主の腰を抱きしめ、優しく自分の方に引き寄せて、頭の下にもう片方の腕を入れて完全に体を密着させる。
「でん……ルルーシュ…」
「お前と眠ったら一時間でも十分な休みになる…。だから……」
「うん。おやすみ?ルルーシュ……」
前髪をよけて、現れた白い額に優しいキスを落とすと、ルルーシュの綺麗な瞳が閉じ眠りの世界へと旅立った。

「君とナナリーの大切な宝石…絶対に僕が守り抜いてみせるよ……」
誓いと愛を込めて、眠るルルーシュの唇に口付けるとスザクも目を閉じて眠りに付いた。
 

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大学生・星座の観察員
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