○もしルルーシュが新一でスザクが蘭だったら。
ルルーシュは自分の記事が一面に取り上げた新聞を読みながら下校していた。
『ねえねえ聞いた?またあの高校生探偵、またお手柄なんだって!』
『まさに彼こそ、日本警察の救世主ともいえましょう!!』
「くくく…ふははは!!」
ツンツン。
思わず高笑いをあげたルルーシュの頭がなにか細いもので突付かれる。
その正体を考えるまでも無いルルーシュは「スザク…竹刀で突付くな。」と後ろを振り返る。
そこには彼が想像したとおりしないを手にした幼馴染の枢木スザクがむっとした様な顔で立っていた。
「何むっとしてるんだスザク?」
「別に―…ルルーシュが活躍してるせいで、僕とルルーシュが遊ぶ時間が減ってるとか父さんの仕事が減ってるからって…怒こってなんかいないよ。」
「お前、一つ目の方が本音だろう……というか、お前のお父さん、まだ探偵やってたのか?」
「……」
「でも仕事が来ないのは俺のせいじゃなくて、あの人の腕のせい……」
「ふふふ…」
ドガァ!
「だから、怒ってないって言ってるでしょ?」
無残にもスザクの竹刀の被害にあった電柱はぽっきりと折れてしまった。
コンクリートをも竹の刀でへし折る男、枢木スザク。
「さ、さすが剣道全国一……」
「ルルーシュだってチェス大会に出れば日本一なれるのに…。」
「チェスは探偵に必要な脳回路を作るためにやっていただけだ…ほら、ホームズだって剣術やってたし。」
「あれは小説だろう?それに剣術とチェスって全く違うじゃないか。運動しなくて良かったの?」
「!う、うるさい!!ホームズはすごいんだ。いつも冷静沈着。溢れる知性と教養!観察力と推理力は天下一品!!おまけにバイオリンの腕はプロ並だ!」
そっと顔を空に向け、ホームズの事を思い浮かべながら「小説家、コナン・ドイルが生み出したシャーロック・ホームズは、世界最高の名探偵だよ…」と呟いた。
「ふーん…なんか、恋してるみたいだ。」
「馬鹿が。恋とは違う。」
「そっか。でもいい気になって事件に首突っ込んでいるといつか危ない目に遭っちゃうよ?」
「かもな…」
「もう…僕もいつも傍に入れるわけじゃないんだからね?事件行くときはできるだけ声かけてよ?」
「分かってる…お前は言い出したらうるさいからな。」
むっと頬を膨らませていたスザクがにっこり笑う。
(本当にこいつは融通が利かない…)そう苦笑しながらも内心嬉しいルルーシュだった。
「お、もうこんなところか…じゃあなスザク。」
「ねえ、ちょっとルルーシュ!明日の約束忘れてないよね?」
「約束…?」
「言ったじゃないか!僕が全国大会で優勝したら遊園地にデートに行くって!!」
「わ!泣くな!!泣くなスザク!!お、覚えてるに決まってるだろ!明日10時トロピカルランド!」
(デートってなんだ///!)と思いつつ泣く子とスザクには適わない。(特に泣いた時。)ルルーシュは維持を張るのを止めてあっさり約束のことを口に出すと、スザクがぱああっと笑顔を浮かべて抱きついてきた。
「ス、スザク!!」
「うん!じゃあ明日ね!!全部僕がおごるからね!!」
「ああ。楽しみにしているよ。」
―トロピカルランド―
ジェットコースターを待つ間、ホームズの話をべらべらとしゃべる俺にスザクは笑顔でうんうんと相槌を打っていた。
その様子に調子に乗った俺が向かい側の女の子の手を握って「体操部ですね?」と推理をしだしたとたん、急激に機嫌が悪くなった。
何故だ!!と困惑していると「この推理オタク…」とぼつりと呟かれた。
(なんだ推理オタクって……)
「僕ね、ルルーシュと此処に来るのずーと楽しみにしてたのに…どうして、僕の気持ちに気付いてくれないの?」
「スザク…まさか…嫉妬?」
「…そうだよ///」
「そ、そっか//////」
「では発車しまーす!!」
アナウンスが流れ、ジェットコースターが発車した。
すさまじいスピードで下っていくジェットコースターにルルーシュは目をぎゅっとつぶりスザクの手を握り締めた。
このぐらいなんとも無いだろうスザクは笑顔を浮かべて「わーー!」と声を上げていた。
ジェットコースターも中盤。
前方から水が飛んできたと思うと後ろからうめき声が聞こえ、その直後に生暖かい液体が飛んできた。
トンネルから抜けて背後を振り返ると。
首のとんだ男性の死体から血液が噴出していた。
「事故だ!!」
「人が死んでる!!」
騒然とする現場を横目にルルーシュは死体を覗き込む。
「ル、ルルーシュ…」
さっと消えようとする乗客たちに「待て!これは事故じゃない!殺人だ!」と引きとめ、ルルーシュはやってきた捜査一課のダールトン警部と一緒に事件を解決した。
被害者の後ろに座っていた黒衣服を着込んだ二人の男から感じる冷徹な気配だけがルルーシュの心残りだった。
「スザク…もう泣くなよ」
「ルルーシュは良く平気だね」
「俺は現場で見慣れてるからな。」
「もう!ルルーシュ!そんな劣悪な環境よくないよ!!」
「ス、スザク…落ち着け!!」
ここで何とかなだめないと本気でスザクは自分を現場に行かないように閉じ込めかねない。なんといってもルルーシュは体力が無い。上に運動音痴である。そんな自分が体力と運動神経の塊といっていいこの男から逃れるすべなど1240通りあるうちのどれ一つ成功しそうに無い。
(どうする!どうするルルーシュ・ヴィ・ブリタニア!)
スザクをチラッと見やると、彼は携帯で電話をしている。相手はどうやら俺の妹、ナナリーで。
(おそらく二人掛かりで止めさせようとか持ちかけているに違いない!!)
スザクのご機嫌をどうやって治すか考えを巡らせているルルーシュの視界に、黒い服を着た男の一人が視界に入ってきた。男は人目を避けるようにさっと人気が無い角を曲がった。
「悪いスザク!先に帰ってろ!!ナナリーを頼む。」
電話をしているスザクを置き去りにルルーシュは全力で男の下へと走った。
「え?ルルーシュ!?ちょっちょっと!!あ、ナナリー…えっとえっと…」
男の後をつけたルルーシュは黒い男が他の男と取引している現場を目撃した。
持っていたカメラでそれを隠し撮りし、警察に電話をしようとした瞬間。
背後から怪しい気配を感じ振り返ったときだ。後一人の黒い男が自分に鉄の棒を振りかざそうとしていた。
(しまった―――!!!)
ガキイイイン!!
「ルルーシュ!大丈夫!?」
「す、スザク!?」
「安心して。今僕がこんなやつら、ぶちのめしてあげるからね。」
黒い笑みを浮かべながら殺気を撒き散らすスザクの手に光るのは…真剣…か!?こいつ殺るつもりだ――!!
(さわやかな笑顔で言う台詞じゃないぞそれは――――!!)
-----------一時停止--------------巻き戻し。
スザクが絶対あいつら倒しちゃう…しかしルルーシュにちっこくなってもらわないとコナン君になれない。
という事でタイムスリップ!
自宅でちっこくなったところを見つけられちゃうルルーシュのシーンへ!
自宅の前で隣の発明家であるジェレミアに出会い、今後どうするか話し合っていたときだ。
「ルルーシュー!!!いるのかい!?!?」と玄関の方からあせった声が聞こえてきた。
「す、スザクだ!!」
「いけません!早く隠れてください!!」
「隠れるって?どこに???」
ほぁぁと気の抜ける声を上げながらも、書斎で隠れるっていっても机しかない!と机の下にもぐりこむ。
「あれ?ジェレミア博士…」
「い、いや…お久しぶりでしたスザク君!!」
「お久しぶりです。あの…ルルーシュ知りませんか?はぐれちゃって…ルルーシュ運動音痴だから今頃なにかへましてるんじゃないかって心配で…」
「馬鹿にするな…」
むかついてつい悪態をついてしまった口を(しまった~~~!!)と慌ててふさぐ。
机の裏から聞こえた声を聞き取ったスザクは「だれかそこにいるの?」と回り込む。
それに慌てたルルーシュは引き出しを開け、父シャルルがかけていためがねを咄嗟にかけて変装した。
あまりの度の強さにくらりとしたルルーシュ(7歳)を見たスザクは「何この子?」と疑問を抱いたようだ。
それでも溢れる好奇心を抑えられないのかルルーシュに近寄りムギュっと掴みあげるとスザクの方へと体を回転させた。
(やばい!!!!)
「こ、この子…」
「くっ……」
「かわいい!!ルルーシュの小さかったころみたい!!」
ぎゅううっと抱きしめられたままくるくると回るスザクに目が回る。
「む、胸板が痛い…目が回る…」
「博士、この子は誰ですか?」
「わ、私の遠い親戚の子です」
「僕、いくつ?」
「じゅうなな…じゃなくて、7歳!」
「名前はなんていうの?」
「名前はルル―でもなくて…」
「ん?」
「え、えっと…そうだな……あー…ルル!」
「ルル?」
「ルル・ランペルージだ…はははっ」
「ふ~ん、かわいい名前だね」と納得するスザクにこいつが馬鹿でよかった…と深いため息を吐くルルーシュだった。
しかし問題はこれからだという事を彼は忘れていた。
ルルーシュが居ないという事態にスザクがおとなしくしているわけが無いのだ。
国を挙げて探すべきだ!と暴れだした彼をなだめるべく正体を打ち明け、危険な事をしたことを怒こられ、嘆かれ、泣かれたルルーシュは(最初からこいつについてきてもらえばよかった…)と死ぬほど後悔した。
ブラックが降臨したスザクはもはや人間兵器で。それを敵に回したあの男の組織は木っ端微塵に粉砕されてしまったのです。
組織を壊滅する間嫌がるルルーシュをかわいいからと抱っこしたり抱き上げたまま移動したりしていたスザクのせいで、元のサイズに戻ってからも彼の腕に抱かれていないと落ち着かないルルーシュでした。
END
○スザクが新一でルルーシュが蘭だったら。
何度も書くのは面倒なのでジェットコースター殺人事件の後から。
スザクはルルーシュと違って"ラブい空気"はきちんと読むので他の女の手を握ったりなんてしてませんよ。(笑)
「ルルーシュ…大丈夫?」
「お前は良く平気だな」
「僕は軍でも現場でも見慣れているから…。」
「この、馬鹿!!!」
「ル、ルルーシュ…落ち着いて!!」
ぼかすかと自分を殴るルルーシュに(ちっとも痛くないなぁ)と思いつつ、何とかここでルルーシュをなだめないと向こう一週間口を利いてもらえないかもしれない。
ルルーシュはスザクにどの罰が一番効果的かしっているのだ。
(一週間も話せないなんて…死んじゃうよぉ!!!なんとか機嫌を治さなきゃ!)
ルルーシュのご機嫌をどうやって治すか考えを巡らせているスザクの視界に、黒い服を着た男の一人が視界に入ってきた。男は人目を避けるようにさっと人気が無い角を曲がった。
「ごめん、ルルーシュ!先に帰ってて!!」
「え?スザク!?」
「他の男について行っちゃだめだからね!!!」と言い残して去るスザクに後ろから「この、馬鹿がぁぁああ!!」とののしるルルーシュの声が聞こえた。
(これは一週間じゃすまないかもしれない…)
男の後をつけたスザクは黒い男が他の男と取引している現場を目撃した。
持っていたカメラでそれを隠し撮りし、警察に電話をしようとした瞬間。
背後から怪しい気配を感じ振り返ったときだ。後一人の黒い男が自分に鉄の棒を振りかざそうとしていた。
ドゴッ!!
「ごふぅっ!!」
「全く。鉄の棒で殴ろうとするなんて酷いなぁ。」
(あんたの肘鉄の方がよっぽど酷い…)とは倒れたジンのダイイング・メッセージだった。
-----------一時停止--------------巻き戻し。
どうしてスザクは!!(書いてるのはお前だ!)
という事で。またまたタイムスリップ!
自宅の前で隣の発明家であるロイドに出会い、今後どうするか話し合っていたときだ。
「スザク!!!いるのか!!!!」と玄関の方から怒り混じった彼の声が聞こえてきた。
「ル、ルルーシュだ!!」
「あはぁ~どうしようかねぇ~」
「どうしようかって…とりあえず隠れます!!」
ひらひらと手を振るロイドを尻目にスザクは慌てて書斎で唯一隠れる場とも言える机の下にもぐりこんだ。
「あれ?ロイド博士…」
「久しぶりだねぇルルーシュ君!」
「お久しぶりです。あの…スザク知りませんか?あの馬鹿、俺を置き去りにしやがった…」
ルルーシュから発せられる絶対零度の怒気に思わず「ひぃっ!」と声が漏れてしまった。
机の裏から聞こえた声を聞き取ったルルーシュは「誰かいるのか?」と回り込む。
それに慌てたスザクは引き出しを開け、父ゲンブがかけていためがねを咄嗟にかけて変装した。
あまりの度の強さにくらりとしたスザク(7歳)を見たルルーシュは「何だこのガキ?」と疑問を抱いたようだ。
いぶかしみながらスザクに近寄りぐいっとルルーシュの方へと体を回転させられたスザクは(どうしようどうしよう!)と心臓が破裂しかねないくらい動揺していた。
「――スザク?」
「ほぁ!?ち、違うよ!!」
「……ロイドさん、この子は一体?」
「ん~僕の遠い親戚のこかなぁ~」
「…君、名前は?」
「え!えーっと、えーっと…あ~~」
「………(ギロリ!)」
「ごめんなさい。(ペコリ)」
「……全く。どうしてこんな事態になったのか。きりきり説明してもらうぞ。」
俺がお前を間違えるわけ無いだろうが…。
ルルーシュをだます事ができるはずの無いルルーシュと女性子どもにだけ弱いスザク。
その後ことの展開を知ったルルーシュ様により綿密に計画された作戦を実行し、スザクは元の体を取り戻したのでした。
「早く大きくなって抱きしめろよ…」
「ル、ルルーシュ!!!」
終わり。
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自己満妄想、お目汚し失礼しました(笑)
カウンターが1万行ったので…記念に書いてみました。
これからもよろしくお願いします。
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